「WEBマーケティング業界へ転職したいけど、将来性はあるの?」
「プロのWEBマーケターになっても、仕事はなくならないの?」
この記事を見ているあなたは恐らく、WEBマーケティング業界に興味はあるけれど、本当に転職すべきかどうかを検討している段階だと思います。
未経験の業界であるほど、その業界の将来性やメリット・デメリットなどが気になるものですよね。
実は筆者も、WEBマーケティング業界に入る前は、建設業界という全く畑違いの業界で働いていました。しかし勇気を出して、未経験ながらもインターネット広告代理店へと転職。そして自分の会社を立ち上げられるくらいまで実力をつけました。今や、会社設立から8年が経過しています。
そんな経歴のある私ですから、未経験でこの業界への転職を考えているあなたの熱意や迷いは、よく分かります。
最初にお伝えすると、WEBマーケティング業界の将来性は明るいです!仕事がなくなるどころか、今後も大きく成長していく業界ですよ。
ここでは、
- WEBマーケティング市場の将来性は良好な理由
- WEBマーケティング業界の将来性の懸念(デメリット)
- WEBマーケティング業界の将来性のプラス材料(メリット)
などについて、解説しています。
WEBマーケティング業界の将来性を理解すれば、きっとあなたの迷いも晴れることでしょう。ぜひ参考にしてくださいね。
WEBマーケティング市場の将来性は良好
導入部でも述べたように、WEBマーケティングの将来性は良好です!今後、滅多なことがない限りは仕事がなくなることはないと断言できます。
なぜなら、以下のような要素があるからです。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
国内の総広告費は増え続けている
WEBマーケティング業界では、主にインターネット広告を扱います。つまり、広告業界の発展がWEBマーケティング業界の将来性に関わります。
国内における広告費を見てみると、年々増え続けていることが分かります。
電通が発表した、日本の総広告費の推移を見てみましょう。
一見すればわかるように、グラフは右肩上がりです。
2020年に関しては、コロナウイルス感染症の拡大によって広告出稿を控える企業が多くなったために大きく落ち込みましたが、それを除けば、グラフは右肩上がり。とくに2018年から2019年にかけては、前年比で約106%ほども成長しているのが分かりますね。
インターネット広告費の構成比が増え続けている
国内の広告費が伸びていることを解説しましたが、その内訳を見ると、とくにインターネット広告費の成長が著しいです。
電通が発表している、媒体別の広告費を詳しく見てみましょう。
この表のうち、「インターネット広告費」の構成比に注目してください。2018年から2020年にかけて、「26.9」から「36.2」と大きく伸び続けています。
一方の「マスコミ四媒体広告費」は、41.4から36.6まで下がっています。インターネット広告費が、マスコミ四媒体広告費に迫る勢いなのです。
そしてこの先も、インターネット広告は成長し続けていくだろうと予測されています。矢野経済研究所の推計によれば、2023年にかけて大きく伸びることが予想されています。
2024年度には、およそ3兆2億円まで成長することが見込まれています。2020年度と比較すると、約150%以上も伸びていますね。
このようにインターネット広告費が成長していけば、その専門家であるWEBマーケターの需要も必然と増していくことでしょう。
ネット通販を始める人も増えている
また、近年ではネット通販事業に着手する企業が増えており、それも追い風となっています。
下表は、経済産業省が公表している、電子商取引に関する市場調査結果です。
ご覧のとおり、EC市場全体が右肩上がりです。とくに「物販系分野BtoC-EC市場規模」の伸び率は、他よりも群を抜いています。
そして、EC化率も同じように加速しています。物販系分野におけるEC市場規模の表を見てください。
2019年と2020年の合計を見ると、約6.7%から約8%へと増加しているのが分かりますね。
このようにEC化が加速している要因の1つに、コロナ禍の影響があります。外出制限がかかったことで、とくに物販系は実店舗のみでの経営が厳しくなりました。そこで、インターネット通販サイトを始める事例が増えたのです。
まとめると、国内の広告費全体は上がり続けています。その中でもとくに、インターネット広告費の伸びは著しいです。そしてインターネット通販事業にシフトチェンジする事業者も増えており、今後もますますインターネット広告は重要視されることでしょう。
こうした要因があるため、WEBマーケティング業界も、今後もますます発展していくことが予測できるのです。
WEBマーケティングは平均年収も高い
転職にあたって一番気になるのが、年収ですよね。
最初にお伝えすると、WEBマーケティングの平均年収は高く、他の業種と比べてもNo.1。生涯に渡ってお金を稼ぎたいと考えている人には最適な業界ですよ。
dodaが公表している「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)」より、各年代の全体平均年収と、WEBマーケティング業界が含まれる専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)を比較してみました。
全体の平均年収 | 専門職の平均年収 | |
---|---|---|
20代 | 348万円 | 497万円 |
30代 | 444万円 | 652万円 |
40代 | 510万円 | 705万円 |
50代以上 | 613万円 | 770万円 |
なんと全ての年代において、専門職の平均年収が高いことが分かりますね。しかも、職種別に見ても一番高いのです!
このように、専門職の全体の平均年収は601万円と、圧倒的に高いです。
今後、広告市場規模の拡大に伴いWEBコンサルの需要も増えますから、平均年収も増え続ける可能性がありますね。
運用型の動画広告市場は特に注目!
これまで、インターネット広告市場が拡大中であり、今後も拡大する見込みがあることを解説しました。
そんなインターネット広告市場でもとくに注目したいのが、「運用型広告」の「動画広告」市場です。
ここでは、
について、詳しく解説します。
運用型広告だけが成長している
まず、インターネット広告には「運用型広告」「成果報酬型広告」「予約型広告」の3種類があります。
広告主自らが、入札額・配信数・ターゲットなどをリアルタイムで変更できる広告。入札額や品質などによって、広告の掲載順位や場所などが決定される。
いわゆるアフィリエイト広告。サイトやブログなどに掲載された広告よりコンバージョンが成立した際に、一定額の広告料を支払う方式。
掲載金額や期間、配信料などが最初に決められた形で配信される広告。優先的に広告掲載されるが、単価は高くなる傾向にある。
このうち、運用型広告だけが成長しているのです。以下のグラフを見てください。
これは、インターネット広告費媒体費の構成比を表しています。他の広告費は前年と比較して減少している一方、運用型広告だけが伸びていますね。また、全体のおよそ8割を占めているほど規模も大きいです。
なぜ、運用型広告が伸びているのか。その理由は、運用型広告の特徴にあります。
運用型広告は、予算やキーワードなどを柔軟に変更可能です。他の広告よりも細かなターゲティングができるため、効率的な広告が出稿できます。しかも数百円から出稿できるため、リスクも少ないのです。
こうした特徴が評価されて、運用型広告は成長し続けているのです。
動画広告市場の成長も見逃せない!
効果的かつ効率的な運用型広告ですが、その中でもとくに注目したいのが「動画広告」です。
以下のグラフを見てください。インターネット広告費の構成比を表しています。
「ビデオ(動画広告)」だけが伸びているのが、わかりますね。
近年では、Youtubeの台頭はもちろん、SNSにおいても動画コンテンツがよく利用されるようになりました。そして、スマホ普及によるスマートフォン動画広告の成長も影響しており、動画広告市場が活性化しているのです。
今後も動画広告は伸びていくことが予想されています。それは、サイバーエージェントが公表した動画広告市場推計の表を見ても明らかです。
このとおり、右肩上がりのグラフですね。
5Gの普及もあり、今後もますます発展していくであろう動画広告市場。将来性も良好なため、ぜひ注目しておきたい分野ですね。
WEBマーケティング業界の将来性の懸念(デメリット)
「将来性が良いのはわかったけど、良いことばかりじゃないんでしょ?」
と不安に思う方も、いるかもしれませんね。
確かに、WEBマーケティング業界の将来性に対する懸念要素はあります。しかし、デメリット面をしっかり理解しておけば、転職前の心構えができることでしょう。
ここでは、主なデメリット2点をご紹介します。
運用型広告の機械学習に仕事が奪われる
運用型広告には、機械学習が活用されています。この機械学習が発展することで、広告運用作業がほぼ自動化される可能性があります。
運用型広告の機械学習には、以下のようなものがあります。
検索語句や検索した地域などのデータを考慮し、検索状況に適した入札単価を自動で設定
ターゲットの検索状況に対して、より良い結果が期待できる広告を優先的に配信してくれる
こうしたデータ集計や分析作業などは、AIや機械学習が得意な分野です。
今や簡単な設定を行うだけで、機械学習が最適な広告を出してくれます。今後もこの機械学習のアルゴリズムは進化していくことでしょう。それに伴い、広告運用を代行する広告代理店の仕事が奪われていく側面は、たしかにありますね。
しかし、だからといって全てが機械化されるわけではありません。人間にしかできない作業が代替されることはないからです。
たとえば、「広告出稿の企画を考えること」や「人間の深層心理を理解すること」は、AIにはできません。ターゲットが何を求めているのか。どのように商品の情報を知ってもらうのか。そういった人間心理を用いた戦略は、人間側が考えなければいけないのです。
また、機械学習に最初から全て任せれば良い、というわけでもありません。
機械学習を有効に活用するためには、そのロジックを理解し、質の良いデータをある程度学習させる必要があります。しかし、機械学習に有効なデータを蓄えられるように構築するには、経験が必要です。インターネット広告についてあまり知識のない人がやろうとしても、難易度は高いでしょう。
つまりポイントは、「機械学習に任せっきりにせず、それを上手に使いこなすことができるかどうか」です。
機械学習の基本的な仕事は、インプットしたデータから規則性を見つけ出すこと。人間心理が絡むクリエイティブな作業はできません。そして機械学習を有効運用するために、人間側が環境を整えてあげないといけません。
AIができることは全て任せ、AIにできない部分は人間が行う。こうした活用をすれば、仕事が奪われることはないでしょう。
テクノロジーの進化が早い
テクノロジーは、日々恐ろしい速度で進歩しています。WEBに携わる業界に身を置くなら、最新技術や業界のトレンドに対して、常にアンテナを貼り続けなければなりません。
上記で紹介した機械学習も、まだまだ進化段階であり、次々と新たな機能が追加されています。たとえば近年では「レスポンシブ検索広告」が追加されました。いくつかの見出しや説明文を登録しておくだけで、Google側が検索キーワードに合った見出しやメッセージを自動で表示してくれる便利な機能です。今後はこちらが主流になります。
このように技術は進化しており、過去に学んだ知識が陳腐化することもあります。学習が完了したら、それで終わりではありません。
WEBマーケティング業界で生き残るためには、たとえ40代・50代になっても学び続ける姿勢が大切なのです。
WEBマーケティング業界の将来性のプラス材料(メリット)
では一方で、WEBマーケティング業界の将来性が良好なほど、どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下の2つのプラス要素が挙げられます。
以下、詳しく解説します。
副業がしやすい
WEBマーケティング業界でスキルを身につければ、副業がやりやすくなります。
近年では、副業解禁の流れが加速中です。アサヒビール・佐川急便・ゆうちょ銀行・パナソニック・日産自動車・NTTドコモなど、業種や業界を問わず、さまざまな企業が副業を解禁しています。
そして同時に、終身雇用が崩壊しつつあります。年功序列による中高齢者の人件費負担軽減のため、早期退職や希望退職を募る企業が増加しているのです。
こうした時代の流れより、副業を模索する人は増え続けています。
そんな副業に最適なのが、WEBマーケティングです。なぜなら、ネット環境さえあればどこでも副業ができ、さらに仕事が探しやすい環境が整っているためです。
WEBマーケティングで必要な道具は、インターネット環境とパソコンのみ。これさえあれば仕事は可能です。本業のスキマ時間にでも、副業をこなすことができます。
また、副業の仕事を獲得する環境も揃っています。たとえば「ランサーズ」「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサービスです。条件を検索するだけで、自分にマッチする仕事が比較的簡単に見つけやすいのです。
WEBマーケティングを学べば、月に5~10万円の副業収入を得ることは、そう難しくないですよ。
独立という選択肢も
もし副業が軌道に乗れば、独立を目指すことも十分に可能です。むしろ副業から独立を目指せば、ある程度の経験や人脈がある状態からのスタートなのでおすすめですよ。
WEBマーケティングの仕事は場所を選びませんから、わざわざ都心近くに住む必要はありません。ネットが繋がる環境であれば、田舎の山奥でも海外でもOK。実際、海外に拠点をおきながら日本の仕事をする人も多いです。
場所を問わない働き方が実現できるので、地方・海外移住や、旅をしながら仕事をしたい人にもおすすめの業界です。
「将来的に独立をしたい!」と考えている人は、ぜひWEBマーケティング業界に挑戦してほしいです!
将来性が気になる人は付加価値を提供している会社への転職を
もしもあなたが、将来的に長くWEBマーケターとして活躍したいのなら、「付加価値を提供している企業への転職」を強くおすすめします。
インターネット広告代理店の中には、安さを売りにしているところがあります。その仕事内容のほとんどは「作業」です。数を多くこなして利益を出すのが一番の目的のため、機械的な作業に集中しがちです。そのため、1社ごとの対応がおろそかとなります。
そのような仕事をしていては、いずれ淘汰されてしまうでしょう。なぜなら機械的な作業は、進化した機械学習でもできるからです。
つまり「作業」をこなすだけでは、あなたもいずれ淘汰されてしまうのです。
では、AIに淘汰されることなく活躍し続けるためには、どうすればいいのでしょうか。それは、AIに出来ない仕事に集中することです。
「運用型広告の機械学習に仕事が奪われる」の項でも解説したように、AIにはクリエイティブな作業はできません。たとえば、顧客の悩みを汲み取って解決できる提案をすることや、利益を最大化するためにどうすればいいのか考えること、などです。
このような、顧客に対してプラスとなる「付加価値」を提供できるようなスキルの獲得を目指しましょう!長く活躍できるWEBマーケターになれますよ。
そのためには、付加価値の提供に重点を置く会社へ転職するのがベストです。そこで学ぶことで、この先も長く活躍するために必要なスキルや考え方が身につきますよ。
転職したい企業がどのような仕事をしているのかを、しっかりと見極めましょう。そして顧客のことを第一に考えている企業へと、転職しましょう!
まとめ|WEBマーケティングの将来性は良好
この記事でお伝えした大事なことは、以下の3点です。
- 国内の総広告費は増え続け、さらにインターネット広告費がテレビや新聞メディアに迫るほどの勢いで成長し続けている。そのため、WEBマーケティング業界の将来は明るい。
- ただしテクノロジーは日々進化しており、その進化したAIによって仕事が奪われる可能性もある。いつまでも勉強し続ける心構えや、AIと上手く付き合っていくためのスキルが大切。
- 永く活躍するWEBマーケターになるには、「付加価値」が提供できる人になること。AIにできる仕事は任せ、クリエイティブな作業に集中することが重要。
繰り返しになりますが、WEBマーケティング業界の将来は明るいです。この先も拡大し続けていく業界ですから、将来性の心配は御無用ですよ。
しかし、WEBマーケティング業界に入ればあとは安泰、というわけでもありません。機械学習によって奪われる仕事は増えます。そして、テクノロジーの進化によって技術は日々変化します。これらに対策していく姿勢は、とても重要です。
仕事を獲得し続けるうえで何よりも重要なのは、「お客さんに付加価値を提供する姿勢を忘れないこと」です。AIにはできないスキルを磨くことで、長く活躍できるWEBマーケターになれますよ。
WEBマーケティング業界に転職したいというあなたの勇気は、とても素晴らしいものです。
ぜひ自信を持って、トライしてみてくださいね!